子どもが眠ったあとの部屋は、急に静かになります。
散らかったおもちゃや、片づけ途中の食器。明日の準備も残っていて、やろうと思えば家事はいくらでも見つかります。
以前は、子どもが寝たら残ったことを全部終わらせようとしていました。でも、家の中が整うころには自分も疲れ切っていて、そのまま眠るだけの日が続きました。
今は、家事を始める前に自分へ戻るための10分を作るようにしています。
まず、座る
子どもが寝たら、片づけを始める前に一度座ります。
ソファでも、ダイニングの椅子でも、床でも構いません。何かをしながら休むのではなく、体の動きを止める時間です。
一日中、次にやることを考えながら動いていると、自分が疲れていることにも気づきにくくなります。座って息を吐くだけで、肩や足の重さをやっと感じる日があります。
温かいものか、冷たいものを一杯
季節や気分に合わせて、飲みたいものを一杯用意します。
寒い日は温かいお茶。暑い日は冷たい炭酸水。特別な飲み物ではなく、そのとき自分が心地よいと思えるものを選びます。
子どもの飲み物はよく気にするのに、自分は水分をとることを忘れていた、と気づくこともあります。
立ったまま急いで飲まず、最初のひと口だけでもゆっくり味わいます。
部屋の明かりを少し落とす
夜になったら、使っていない場所の照明を消します。
部屋全体を明るくする照明から、小さな明かりへ。見える景色が少し変わるだけで、「今日の活動はもう終わりに近づいている」と気持ちを切り替えやすくなります。
片づけをする場合も、必要な場所だけ明るくします。家事を一日の延長にせず、夜の時間として過ごすための小さな合図です。
スマートフォンを見ない日を作る
静かになると、ついスマートフォンを開きたくなります。
短い時間だけのつもりでも、情報を追っているうちに頭が休まらなくなることがあります。
毎日ではありませんが、疲れている日はスマートフォンを別の場所に置きます。代わりに窓の外を眺めたり、音楽を一曲だけ聴いたりします。
何もしないことに落ち着かなさを感じても、そのまま数分過ごしてみます。
今日できたことを三つ思い出す
夜になると、できなかったことばかりが気になる日があります。
洗濯物をたためなかった。もっと子どもの話を聞きたかった。予定していた用事が終わらなかった。
そんなときは、今日できたことを三つだけ思い出します。
- 朝、起きられた
- ごはんを用意した
- 子どもと一緒に一日を終えた
小さなことで十分です。書き残す余裕がない日は、心の中で数えるだけにしています。
明日のことは、一つだけ準備する
休もうとしても、明日の予定が気になって落ち着かないことがあります。
そんな日は、朝いちばんに必要なものだけを準備します。
バッグを玄関へ置く。着る服を出す。炊飯器の予約をする。どれか一つができたら、明日の準備は終わりです。
全部そろえようとすると、夜の家事がまた増えてしまいます。今の自分を休ませることも、明日のための準備だと思うようにしています。
読みかけの本を数ページだけ
まだ少し起きていたい日は、本を開きます。
一章読む、何ページ読む、と目標は決めません。途中で眠くなったら、数行で閉じても構いません。
子育てや家事とは関係のない文章を読むと、日中とは違う場所へ気持ちが動きます。自分の興味を思い出す、小さな時間でもあります。
好きな香りをひとつ
ハンドクリームを塗ったり、好きな香りのお茶を選んだり。手軽に使えるものを一つ用意しておきます。
忙しい日は、自分が何を好きだったかを考えることさえ後回しになります。
香りは、短い時間でも気持ちを切り替えるきっかけになります。新しいものを増やさず、今あるお気に入りを使うだけで十分です。

10分たったら、何をするか選び直す
少し休んだあとで、残った家事をするか、そのまま眠るかを決めます。
休む前は「全部やらなければ」と思っていても、10分たつと、本当に必要なことが見えやすくなります。
食器だけ片づけて眠る日。洗濯機だけ予約する日。何もしないで眠る日。どの選択も間違いではありません。
自分の時間を、何かを達成する時間にしない
自分の時間ができると、有意義に使いたいと思ってしまいます。
運動をする、勉強をする、家を整える。もちろん、やりたい日はそれもよい時間です。
でも、何も達成しないまま終わる10分があってもいい。ぼんやりしたり、好きな飲み物を飲んだりするだけでも、自分のために使った時間です。
短いひと休みで、一日を自分のもとへ戻す
子どもと過ごす毎日は、楽しいことと同じくらい、気を配ることもたくさんあります。
一日の終わりに自分の感覚を確かめる時間があると、今日を急いで閉じずに済む気がします。
10分取れない日は、一度座って深く息を吐くだけ。それも、立派なひと休みです。
明日のためだけでなく、今日を過ごした自分のために。夜の小さな余白を、これからも大切にしていきたいと思います。