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子どもの癇癪で、親も怒りそうになったとき

子どもの癇癪で、親も怒りそうになったとき

泣き声がいつまでも続く。同じ言葉を何度伝えても届かない。時間に追われている日に限って、子どもが床に寝転んで動かない。そんなとき、親の中にも怒りが湧くことがあります。

「子どもの気持ちを受け止めなければ」と分かっていても、いつも穏やかでいるのは難しいものです。怒りを感じたことだけで、自分を悪い親だと決める必要はありません。大切なのは、感情が行動になる前にいったん止まり、親子の安全を守ることです。

米国小児科学会が運営する「HealthyChildren.org」でも、子どもの癇癪に向き合うとき、大人がまず一呼吸置くことや、苛立ちが強いときには家族や友人と交代することが勧められています。

まず、子どもの安全を確認する

親が水を飲んで気持ちを整えるイメージ

怒りが強くなってきたら、話し合いより先に安全を確認します。道路や階段、浴室など危険のある場所から離れ、投げそうなものや割れ物を遠ざけます。子どもが安全な場所にいることを確認できたら、大人も少し距離を取ります。

こども家庭庁は、赤ちゃんが泣きやまずイライラしそうなとき、安全な場所に寝かせてその場を離れ、少ししてから様子を確認する方法を案内しています。対象年齢や状況は異なりますが、「安全を確保して短く離れる」という考え方は、幼児の癇癪で大人の感情が高ぶったときにも参考になります。

長時間放置するのではなく、子どもの様子が分かる範囲で、数十秒から数分だけ離れます。「お水を飲んだら戻るね」「ここで待っているよ」と短く伝えてもよいでしょう。

その場で正しく教えようとしない

親も子どもも興奮しているときは、説明するほど声が大きくなりやすいものです。「どうして分からないの」「何回言えばいいの」と言葉を重ねる前に、今は教える時間ではないと考えます。

伝えるのは「たたかないよ」「ここにいよう」「落ち着いてから話そう」など、一つだけにします。子どもの要求を通す必要はありませんが、すぐに納得させる必要もありません。結論を急がず、安全な状態を保つことを優先します。

自分の体に出ているサインを見る

怒りは、言葉になる前に体へ現れることがあります。呼吸が浅くなる、肩やあごに力が入る、胸が熱くなる、声が大きくなる。「もう無理」と頭の中で繰り返し始めることもサインの一つです。

サインに気づいたら、深く息を吐く、冷たい水を一口飲む、手を洗う、窓の近くへ移動するなど、短い動作を挟みます。深呼吸で必ず怒りが消えるわけではありません。それでも、行動を一秒遅らせることには意味があります。

自分に合う方法を、落ち着いているときに一つ決めておくと使いやすくなります。「声が大きくなったら水を飲む」のように、サインと行動を組み合わせておくのがポイントです。

交代できる人には、具体的に頼む

家族がいる場合、「ちょっと無理」だけでは状況が伝わらないことがあります。「10分だけ子どもを見ていて」「お風呂を代わって」「今は返事をすると怒鳴りそうだから交代して」と、してほしいことを具体的に伝えます。

交代は育児を投げ出すことではありません。親子の安全を守るためのチームプレーです。日頃から、どちらかが「交代」と言ったら理由を問わず一度引き受ける、と決めておく方法もあります。

一人で対応している場合は、家事や予定を止めます。食事を簡単なものにする、お風呂を一日休む、帰宅後の予定を取りやめるなど、その日に守らなくてよいものを減らします。癇癪への対応と予定の完遂を、同時に目指さなくてかまいません。

交代できる人がいない状況で、その瞬間を一人で安全にやり過ごす方法は、関連記事「ワンオペ中、子どもの癇癪で限界を感じたとき」で詳しくまとめています。

落ち着いたあと、自分を責めるより修復する

強い口調になってしまったときは、なかったことにせず、落ち着いてから短く伝えます。「大きな声を出してごめんね。びっくりしたね」「怒っても、怖い言い方はしないようにするね」。大人が自分の行動を認めてやり直す姿も、子どもにとって大切な経験になります。

一方で、何度も自分を責め続けても、次の余裕は生まれにくいものです。何が重なっていたかを振り返ります。睡眠不足、空腹、仕事の締め切り、長時間の外出、相談できる人がいないこと。怒りを性格の問題だけにせず、負担を減らせる場所を探します。

怒りが続くときは、一人で抱えない

「手を上げてしまいそう」「子どもと二人でいるのが怖い」と感じるときは、我慢の限界を試す前に誰かへ連絡してください。家族や友人のほか、自治体の子育て相談、保健センター、かかりつけの小児科なども相談先になります。

こども家庭庁の「親子のための相談LINE」では、子育てや親子関係の悩みを匿名でも相談できます。今すぐ子どもを傷つけそうな切迫した状況では、子どもと距離を取り、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」や警察・救急へ助けを求めてください。

相談することは、親として失格だと認めることではありません。親子だけで耐える状態を終わらせ、安全を取り戻すための行動です。

子どもの癇癪で怒りそうになったら、安全を確認する。言葉を減らす。少し離れる。頼れる相手がいれば交代する。落ち着いたあとで、必要なことをやり直す。毎回完璧にはできなくても、怒りの途中に一つでも間をつくれたら、それは親子を守る大切な一歩です。

参考情報

こども家庭庁「赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの理解と対処のために~」

こども家庭庁「親子のための相談LINE」

HealthyChildren.org(American Academy of Pediatrics)「Screen Time & Temper Tantrums: Helpful Tips for Parents」

michi
WRITTEN BY

michi

フリーランスWebデザイナー/フロントエンドエンジニア。一児の母。

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