寝かしつけを始めたのに、なかなか眠らない。ようやく寝たと思ったら、翌朝は起きられない。そんな日が続くと、「もっと早く布団に入れなければ」と焦ってしまいます。
けれど、夜だけを変えようとしてもうまくいかないことがあります。子どもの睡眠は、起きる時間や朝の光、日中の活動、食事など、一日の流れとつながっているからです。
就寝時刻が遅くなってきたと感じたら、まずは朝の過ごし方から、小さく整えてみませんか。
最初に決めたいのは、寝る時間より起きる時間
遅く寝た翌朝は、できるだけ長く寝かせてあげたくなります。休日なら親も一緒にゆっくりしたいところです。
ただ、起床時刻が日によって大きくずれると、その日の夜も眠くなる時刻が後ろへずれやすくなります。いきなり理想の時刻に戻そうとせず、「まず15分早く起きる」「休日も普段との差を大きくしすぎない」など、続けられる幅から始めます。
睡眠時間を削って早起きさせるという意味ではありません。必要な睡眠を確保しながら、数日かけて寝る時刻と起きる時刻を少しずつ動かすイメージです。
起きたらカーテンを開け、朝の光を入れる
人の体内時計は、光や食事、活動などの影響を受けています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、朝は太陽の光を浴び、朝食をしっかり取ることが、生活リズムを整えるポイントとして示されています。
起きたらカーテンを開ける。着替えたあとにベランダや玄関先へ出る。保育園や学校まで少し歩く。特別な朝活を増やさなくても、いつもの動作の中で明るい光を取り入れられます。
曇りの日でも屋外は室内より明るいため、無理のない範囲で外の光に触れる時間をつくります。
朝食を「一日の始まりの合図」にする
朝食も、睡眠と覚醒のリズムを整える手がかりになります。しかし、起きたばかりで食欲がない子に、たくさん食べさせる必要はありません。
おにぎりを半分、バナナとヨーグルト、パンとスープなど、その子が口にしやすいものから。毎朝だいたい同じ時間に食卓へ座ることを、一日の始まりの合図にします。
夜遅い時間の食事や間食が朝の食欲に影響している場合は、夕食やおやつの時間も少しずつ見直します。朝食だけを頑張るのではなく、一日の食事の流れとして考えると続けやすくなります。
日中に体を動かし、昼と夜の差をつくる
厚生労働省の睡眠ガイドでは、子どもは日中に体を動かし、長時間の座りっぱなしを避けることが良い睡眠につながるとされています。
運動のためにまとまった時間を用意できない日もあります。公園へ行けなければ、買い物まで歩く、階段を使う、家で音楽に合わせて動く。それでも十分、小さな活動になります。
反対に、夕方に長く眠ると夜の寝つきに影響することがあります。昼寝が必要な年齢か、何時までなら夜に響きにくいかは子どもによって違うため、数日間の様子を見ながら調整します。
変化が分かりにくいときは、起床、昼寝、就寝のおおよその時刻を一週間ほどメモしてみます。正確な睡眠記録をつけることが目的ではありません。「昼寝が遅い日は寝つきにくい」「外で遊んだ日は早く眠そうにする」といった、その子なりの傾向が見つかれば十分です。うまくいかなかった日を採点するためではなく、家族が調整しやすい時間を探す材料にします。
夜は「眠らせる」より、眠れる環境をつくる
朝を整えながら、夜は照明を少し落とし、テレビやスマートフォンなどの強い光を寝床へ持ち込まないようにします。入浴、着替え、歯みがき、絵本、消灯というように、毎晩おおよそ同じ順番をつくるのも一つの方法です。
それでも眠れない日はあります。「早く寝て」と何度も言われるほど、親子とも気持ちが高ぶることもあります。時間どおりに眠ることだけを目標にせず、静かに過ごせたら今日はそこまで、と考える日があってもいいのだと思います。
眠りの悩みが続くときは相談する
必要な睡眠時間には個人差がありますが、朝なかなか起きられない、日中に強い眠気がある、いびきや呼吸が止まる様子があるなど、気になる状態が続く場合は、生活リズムだけの問題ではないこともあります。かかりつけの小児科などへ相談してください。
睡眠は、一晩で整えるものではありません。朝のカーテンを開けること、起きる時刻を大きくずらさないこと。家族が無理なく続けられる一つから、少しずつ一日のリズムをつくっていきたいですね。
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