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イヤイヤ期の子どもに伝わりやすい、短い声かけ

イヤイヤ期の子どもに伝わりやすい、短い声かけ

「早く着替えて、ごはんを食べて、靴を履いてね」。大人には一続きの予定でも、イヤイヤ期の子どもにとっては、いくつもの行動が一度に届く言葉です。動かない子どもを前に説明を重ねるうち、親の声も大きくなってしまうことがあります。

米国小児科学会は、幼児には簡潔で段階的な指示を伝えること、受け入れられる選択肢の中から子どもが選べるようにすることを紹介しています。また、幼児は感情や衝動を調整する力が発達の途中にあり、大きな気持ちを言葉で表すこともまだ練習中です。

短い声かけは、子どもを思いどおりに動かすためのテクニックではありません。今することを分かりやすくし、自分で選べる小さな余地をつくる方法です。

一度に伝えるのは、一つだけ

「片づけて、トイレに行って、出かけるよ」ではなく、最初は「積み木を箱に入れよう」だけを伝えます。終わったら、次の行動を伝えます。

「ちゃんとして」「早くして」は、大人の希望は伝わっても、何をすればよいかが分かりにくい言葉です。「靴を履こう」「ここに座ろう」「手をつなごう」のように、今できる行動へ置き換えます。

言葉を短くしても、すぐ動けないことはあります。伝わらなかったと決めて繰り返す前に、数秒待ちます。子どもが聞いた言葉を理解し、行動へ移すまでに時間が必要な場合があります。

青と白の子ども服を二つ並べた選択肢のイメージ

「する?」ではなく、二つから選ぶ

着替えなければならない場面で「着替える?」と聞くと、「着替えない」と答えるのも自然です。やることが決まっている場合は、その中に小さな選択肢をつくります。

「青い服と白い服、どちらにする?」

「自分で履く? 手伝う?」

「歩いて行く? 抱っこで行く?」

どちらを選んでも大人が受け入れられる二択にします。選ばなかったときは、「今は選べないね。今日は白にするよ」と静かに決めます。何度も新しい選択肢を出し続けなくて構いません。

気持ちとルールを一文ずつにする

気持ちを受け止めることと、要求を通すことは別です。二つを短い文に分けると伝わりやすくなります。

「もっと遊びたいね。今日は帰るよ」

「自分で開けたかったね。もう一度やってみよう」

「そのお菓子がほしいね。今日は買わないよ」

最初の一文で子どもの気持ちを推測し、二つ目で行動やルールを伝えます。気持ちが違っていたら、「違ったんだね」と修正すれば大丈夫です。正確に当てることより、分かろうとしている姿勢が大切です。

禁止だけでなく、代わりの行動を伝える

「走らない」「触らない」「投げない」だけでは、次に何をすればよいかが分からないことがあります。危険な行動は止めながら、代わりの行動を一つ示します。

「歩こう」

「見るだけにしよう」

「ボールは床に転がそう」

「たたかないよ。手はここに置こう」

安全に関わる場面では、選択肢を増やさず、大人が短く明確に止めます。子どもが泣いても、危険な行動のルールは変えません。

切り替えの前に、見通しを伝える

楽しい遊びを突然終えるのは、幼児にとって難しいことがあります。「もう帰るよ」と伝える前に、終わりの目印を示します。

「あと一回すべったら帰るよ」

「この絵本が終わったら、お風呂だよ」

「タイマーが鳴ったら、おしまい」

時間の長さがまだ分かりにくい子には、「5分後」より、行動や音で区切る方が伝わりやすいことがあります。予告をしても嫌がる日はありますが、次に何が起きるかを知る助けになります。

癇癪中は、さらに言葉を減らす

癇癪が大きくなっている最中は、普段なら分かる説明も届きにくくなります。「どうして」「さっき言ったでしょう」と問い続けず、安全に必要な言葉だけにします。

「ここにいるよ」

「たたかないよ」

「落ち着いたら話そう」

同じ言葉を静かに繰り返し、反応がなくても説明を足しません。子どもが話せる状態へ戻るまで待ちます。大人も言葉を減らすことで、声が強くなるのを防ぎやすくなります。

場面別に、一つだけ決めておく

その場でよい言葉を探そうとすると、親にも余裕が必要です。困りやすい場面ごとに、使う言葉を一つ決めておく方法があります。

朝の着替えは「どちらを着る?」。公園から帰るときは「あと一回」。手が出たときは「たたかないよ」。動画を終えるときは「鳴ったらおしまい」。家庭で言葉をそろえると、子どもも次に起きることを予測しやすくなります。

どの声かけでも、毎回うまくいくわけではありません。言葉を短くしても泣く日はあり、選択肢を拒む日もあります。それは親の伝え方が失敗したという意味ではありません。

一度に一つ。具体的な行動。選べる二択。気持ちとルールを分ける。癇癪中はさらに短くする。たくさんの言葉で説得する代わりに、今必要な一言をゆっくり渡す。それが、イヤイヤ期の子どもとのやり取りを少し分かりやすくする助けになります。

参考情報

HealthyChildren.org(American Academy of Pediatrics)「What’s the Best Way to Discipline My Child?」

HealthyChildren.org(American Academy of Pediatrics)「Communication Skills Start at Home」

HealthyChildren.org(American Academy of Pediatrics)「Helping Little People Manage Big Feelings」

michi
WRITTEN BY

michi

フリーランスWebデザイナー/フロントエンドエンジニア。一児の母。

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