子どもの受診予約はすぐに取れるのに、自分のことになると「もう少し様子を見よう」と後回しにしてしまう。育児中には、そんなことが珍しくありません。通院には予定の調整や預け先の確保が必要で、待ち時間まで考えると一日仕事のように感じることもあります。
けれど、不調を抱えたまま毎日を回すことも、決して小さな負担ではありません。受診するかどうかを体調が悪い最中に考えるのではなく、元気な日に自分なりの基準を決めておくと、迷いを少し減らせます。
「まだ動ける」を基準にしない
親になると、自分が動けるかどうかで不調の重さを判断しがちです。家事ができる、送迎に行ける、仕事の連絡が返せる。そうすると「これくらいなら大丈夫」と思ってしまいます。
でも、動けることと、治療や相談が不要なことは同じではありません。痛みや不調のために眠れない、食事が取りづらい、仕事や育児に影響が出ている、何度も同じ症状を繰り返している。こうした変化も受診を考える大切な材料です。
わが家ではなく「自分の基準」を三つ持つ
受診の基準は、家族や友人と同じでなくてかまいません。私は次のような小さな基準を先に持っておく方法がよいと思っています。
- 数日たっても良くならない、または少しずつ悪化している
- 睡眠、食事、仕事、育児のどれかに支障が出ている
- 市販薬や休息だけで何度もやり過ごしている
- 不安が強く、検索を繰り返してしまう
- 健診や検査を長く先延ばしにしている
全部に当てはまる必要はありません。「二つ当てはまったら予約する」「次に同じ症状が出たら相談する」など、自分が動きやすい線を一本決めておきます。
予約だけを先に取ってもいい
受診を大きな予定として考えると、なかなか動けません。まず診療時間を調べる、オンライン予約の画面を開く、受診したい症状をメモする。最初の一歩を小さくすると、心理的な負担が下がります。
予約日までに改善したら、医療機関のルールに沿って変更やキャンセルをすればよい場合もあります。予約を取ることは「大げさに騒ぐこと」ではなく、自分のための時間を確保することです。
診察で伝えることをメモしておく
短い診察時間でも話しやすいように、症状が始まった日、特につらい時間、生活への影響、服用中の薬、妊娠・授乳の有無などをメモしておきます。体温や痛みの変化、月経周期との関係がある場合は、その記録も役立ちます。
子どもと一緒に受診する可能性があるなら、紙一枚にまとめておくと安心です。診察室で子どもに気を取られても、メモを見せれば伝え忘れを減らせます。
預け先がないときに考えたいこと
誰かに代わってもらえる家庭ばかりではありません。家族に頼めない場合は、子連れ受診が可能か、時間帯を選べるか、オンライン診療の対象かを医療機関に確認します。自治体の一時保育やファミリー・サポートが使える地域もあります。
ただし、オンライン診療が向かない症状もあります。自己判断で済ませず、予約時に症状と事情を伝えて相談することが大切です。
すぐに相談したい症状は別に考える
強い胸の痛みや息苦しさ、意識がおかしい、突然の激しい頭痛、体の片側が動かしにくいなど、緊急性が考えられる症状は、通常の予約を待たず救急要請や地域の救急相談を検討します。迷うときは、自治体の救急相談窓口などを利用してください。
また、気分の落ち込みや不安が強く、日常生活が保てない、自分や誰かを傷つけそうと感じる場合も、一人で耐えず医療機関や相談窓口につながることが必要です。
自分の受診も、家族の暮らしを守る予定
自分の病院を予定表に入れることに、後ろめたさを感じなくて大丈夫です。親の体調は、本人だけの問題ではなく、家族の毎日の土台でもあります。
完璧に準備できる日を待たず、「生活に影響が出たら」「同じ症状を繰り返したら」と小さな基準を決める。受診できた日は、それだけで一つ大切な用事を終えた日です。
受診後の予定まで軽くしておく
病院へ行けた日に、その遅れを取り戻そうと家事や仕事を詰め込むと、また休む時間がなくなります。受診日は帰宅後の食事を簡単にし、買い物や掃除を別日に移しておきます。検査や薬の影響で疲れることもあるため、できれば「病院だけで一つの予定」と考えます。
診察の結果、すぐ治療が必要でなかったとしても、行ったことが無駄になるわけではありません。今の状態を確認できたこと、次に相談する目安が分かったことも大切な収穫です。結果のメモや次回予約は、忘れないうちに予定表へ入れておきます。
参考情報
※本記事は一般的な情報です。症状や受診の必要性は一人ひとり異なります。不安がある場合は医療機関へ相談してください。
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