少し前まではカメラを向けると笑ってくれたのに、最近は顔を隠したり、「撮らないで」と言ったりする。成長を残したい親としては寂しく感じますが、写真を嫌がることは、思い出を残せなくなったという意味ではありません。
むしろ、子どもが自分の気持ちや好みを伝えられるようになった時期だからこそ、撮り方を少し変えるタイミングなのだと思います。
「撮らせて」から始めない
いい表情を撮ろうとして、「こっちを見て」「笑って」と何度も声をかけると、遊びの流れが止まります。子どもにとって、楽しかった時間が急に撮影の時間へ変わってしまうこともあります。
わが家で意識したいのは、写真を一日の目的にしないことです。遊び始める前に撮影を済ませるのではなく、まず一緒に過ごす。その途中で自然な瞬間があれば、短時間だけカメラを構えます。

撮れなかった日は、それでおしまい。撮影をやめたあとに、子どもとの時間を続けることを大切にします。
顔だけが成長記録ではない
子どもの日常は、正面からの笑顔以外にもたくさん残せます。
- 小さな手で積み木を並べる様子
- 長靴で水たまりを歩く後ろ姿
- 夢中で絵本を読む横顔
- 脱ぎっぱなしの靴や、今日選んだ服
- 食べかけのおやつとお気に入りのコップ
手元や足元、後ろ姿、子どもが見ていた景色も、その時期らしさを思い出させてくれます。顔を撮らなくても、「このころはこれが好きだった」と分かる写真は立派な成長記録です。
連写より、短く一枚
自然な写真を残したいときほど、長時間カメラを向け続けないようにします。スマートフォンを構える時間を短くし、一、二枚撮ったらしまう。うまく撮れなければ、その日は目で見ることを優先します。
撮影音やレンズを向けられること自体が気になる子もいます。突然撮るのではなく、「今の手、撮ってもいい?」「後ろから一枚だけ撮るね」と短く伝えると、子どもも見通しを持ちやすくなります。
「撮らないで」は尊重する
子どもが明確に嫌がったときは、いったんカメラを下ろします。「かわいいから」「家族だけで見るから」と説得するより、嫌だと言えたことを受け止める。そうすると、写真を撮ることが親子の押し合いになりにくくなります。
少し大きくなった子なら、撮った写真を一緒に確認し、残してよいかを聞く方法もあります。自分で選べる経験は、写真との付き合い方を学ぶ機会にもなります。
SNSへ載せる写真は、撮影とは別に考える
家族の記録として撮ることと、インターネットで公開することは同じではありません。個人情報保護委員会は、写真には顔だけでなく、名前や住所、位置情報、周囲の人の情報など、個人を特定できる情報が含まれる可能性があると注意を促しています。一度公開した画像を完全に削除することは難しいため、投稿前の確認が必要です。
制服、園名、名札、自宅周辺の特徴、位置情報、ほかの子どもの顔が写っていないかを見る。子どもが意思を伝えられる年齢なら、公開してよいかも一緒に話します。
写真が少ない日も、思い出は残る
写真を撮らせてくれない時期には、短いメモも役立ちます。「今日、水たまりを三つ見つけた」「青い靴を自分で選んだ」。写真が一枚しかなくても、言葉が添えられると、その日の空気まで思い出しやすくなります。
きれいな写真を何枚も残すことより、子どもが安心して過ごせること。撮れた日も撮れなかった日も、その時間を一緒に楽しめたなら、それがいちばん自然な日常の記録なのだと思います。
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